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2026.01.05
草刈り機の事故(裂傷)|農作業で多いケガと初期対応

■実際にあった草刈り機事故のケース
農地の草刈りを行っていて、しばらくすると、草刈り機の刃が刈った草で詰まってしまったため、草を取り外していたところ、急に刃が回転し始め、手指を切ってしまい血が止まらない(エンジンを停止していなかった)
■草刈り機で手指を切ったときの初期対応
出血がある場合は、まず清潔な布やガーゼで傷口をしっかり押さえてください。
可能であれば、事前に手を洗い、流水で傷口を軽く洗い流して異物や汚れを取り除くと効果的です。傷口を心臓より高い位置に上げると出血を抑えやすくなります。
それでもなお出血が続く場合や、傷が深い・出血量が多い・異物混入が疑われる場合には、速やかに救急要請をしてください。
■医師からの見解|草刈り機によるけがの注意点
草刈り機の事故は農業従事者だけでなく、家庭菜園や庭の手入れ中にも多く発生しています。草刈り機は小型でも「エンジンのついた刃物」であり、切り傷が深くなったり、重いけがにつながることがあります。
出血が多く、押さえてもなかなか止まらない場合は、「そのうち止まるだろう」などと自己判断せず、すぐに医療機関や救急隊へ連絡することが非常に重要です。
無理に作業を続けると状態が悪化し、かえって治療が難しくなることがあります。
救急隊を呼んだ場合は、そのまま座る・横になるなどして無理に動かず、到着を待ちましょう。
✅救急要請(119番)が必要なサイン
以下のような症状があれば、迷わず119番へ連絡してください。
- 顔色が悪い・冷や汗が出ている
- 意識がもうろうとして反応が弱い
- 指や手足が切断された
- 指や手足が皮膚だけでかろうじてつながっている(切断に近い状態)
✅医療機関を受診した方が良いケース
草刈り機特有の「異物入りのケガ」や「深い切り傷」は、放置すると感染や神経のトラブルにつながることがあります。
- 傷が深い、または広がっている
- 草・土・小石・金属片など異物が入った可能性がある
- 強い痛みが続く、傷口が熱を持って腫れてきた
- しびれがある、指が動かしにくい(神経損傷の疑い)
✅迷ったときは早めの相談を
農作業中のケガは「とりあえず様子をみる」判断が後になって響くことがあります。
少しでも不安があれば、医療機関へ相談することをおすすめします。

今回の記事を監修した医師

緒方 裕 医師(外科)
日本外科学会 外科専門医・指導医
日本消化器外科学会 消化器外科専門医・指導医
日本大腸肛門病学会 大腸肛門病専門医・指導医
日本消化器病学会 消化器病専門医・指導医
公的機関からの注意喚起について
農林水産省や国民生活センターからも、刈払機(草刈り機)による事故への注意喚起が行われています。
実際の事故データや注意点については、以下の公的資料も参考にしてください。
農林水産省 https://www.maff.go.jp/j/seisan/sien/sizai/s_kikaika/anzen/pdf/04-406.pdf
国民生活センター https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20240821_1.html
「Medi-AGRI」とは
当院をご利用いただいている患者様の職業の多くに「農家」の方がいらっしゃいます。
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