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2026.02.26

血圧変動・体調不良|寒暖差が大きい春先の農作業

野菜 霜

協力/JAみい

参考リンク
農機安全コラム H22/4「春作業の本格化に向けて」

■Case
春先のある日、朝は冷え込んでいたため厚着で畑へ。
早朝から作業を始め、日中は気温が上がったが、そのままビニールハウス内で作業を続けていた。
午後になってから、

  • 頭が重い
  • 立ちくらみ
  • なんとなく気分が悪い

と感じたが、「忙しいから」「少し休めば大丈夫だろう」と思い、作業を続行。
夕方には強い疲労感とふらつきが出て、帰宅後もしばらく体調が戻らなかった。

■初期対応
「おかしい」と感じた時の、その場での対応が重要です

① まず作業を中断する
めまい・ふらつき・頭重感が出たら、
「あと少し」でも作業をいったん中止しましょう。
無理を続けると、転倒や事故につながることがあります。

② 日陰や屋内で休憩する
・直射日光やハウス内から離れる
・風通しのよい場所で座る
・上着を調整し、体を楽にする
急な温度変化を避け、体を落ち着かせることが大切です。

③ 少量ずつ水分をとる
のどの渇きを感じていなくても、
少量ずつこまめに水分補給を行いましょう。
(冷たすぎない飲み物がおすすめです)

④ 症状が続く場合は無理をしない
休んでも改善しない、
同じ症状を繰り返す場合は、
その日の作業を切り上げる判断も必要です。

農作業 休憩

 医師の見解
春先は、暖かい日と冷え込む日が混在し、急な寒暖差が起こりやすい時期です。
このような環境では、体が温度変化についていけず、血圧が急に上下することがあります。
特に、寒い場所に急に出たり、朝夕の冷え込みの中で作業を始めたりすると、体が驚いて血管が収縮し、血圧が一時的に上がりやすくなります。こうした急激な血圧の変動は、いわゆる「ヒートショック」を引き起こす要因の一つと考えられており、体への負担が大きくなることがあります。
その結果、状況によっては、脳卒中や心臓の病気などのリスクが高まる可能性も指摘されています。
「毎年のことだから」「少し休めば大丈夫」と無理をせず、寒暖差を強く感じた日や体調の違和感があるときは、早めに休憩を取ることが大切です。

■受診を考える目安
次のような症状がある場合は、早めに医療機関へ相談してください。

  • めまいやふらつきが何度も起こる
  • 動悸や息切れが続く
  • 胸の痛み、苦しさがある
  • 頭痛や吐き気
  • 体の怠さ
  • 手足の麻痺やしびれ、ろれつが回らない
  • 失神、意識障害

 予防のポイント
日頃から次の点を意識しましょう。
・重ね着で体温調節しやすい服装を心がける(温度差の軽減)
・朝一番は急に動かず、動く前にストレッチなどで体を温め、ゆっくり作業を始める
・単独で作業を行わない、適度に休憩をとる
・のどが渇く前にこまめに水分補給をする、温かい飲み物を飲む(脱水予防)

農家さんへ
春先は「まだ寒い」という意識が強く、体調の変化を見逃しやすい時期です。
体調不良は、転倒や農作業事故につながることもあります。
「いつもと違う」と感じたら、無理をせず、早めに休む・相談することが、長く農作業を続けるための大切なポイントです。

急な体調不良の時には

寒い朝・暑い昼の農作業
左:朝の冷え込みと作業開始
朝の畑はまだ冷え込んでおり、体も十分に温まっていない状態です。
寒さによって血圧が上がりやすく、急に体を動かすことで負担がかかることがあります。
中:日中・ハウス内での作業
日中になると気温が上がり、ビニールハウス内では汗ばむほど暑くなることもあります。
発汗や水分不足により、今度は血圧が下がりやすくなります。
右:体調の変化を感じたら、無理をせず休憩を
寒暖差の影響で、
・めまい
・立ちくらみ
・頭が重い、だるい
といった症状が出ることがあります。
「少しおかしいな」と感じたら、無理をせず休憩をとることが大切です。

◆今回の記事を監修した医師

緒方 裕 医師(外科)
日本外科学会 外科専門医・指導医
日本消化器外科学会 消化器外科専門医・指導医
日本大腸肛門病学会 大腸肛門病専門医・指導医
日本消化器病学会 消化器病専門医・指導医

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