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2026.04.20
高齢化と認知症|「いつもと違う」に気づく

参考リンク
認知症を理解する(厚生労働省政策レポート)
https://www.mhlw.go.jp/seisaku/19.html
■Case
長年、農業を続けてきた高齢の農業者。
最近、家族や周囲の人が次のような変化に気づくようになった。
- 同じ話を何度もする
- 作業の手順を忘れることが増えた
- 使い慣れていた農機具の操作に戸惑う
- 物の置き場所が分からなくなる
本人は「年のせいだ」「疲れているだけ」と気にしていない様子だが、
家族は少し不安を感じている。
■初期対応
① 変化を記録・共有する
「いつから」「どんな様子か」を、家族や身近な人で共有しましょう。
小さな変化の積み重ねが、気づきのきっかけになります。
② 本人を責めない
忘れたことや失敗を強く指摘すると、本人が不安や混乱を感じてしまうことがあります。
できていることを尊重する姿勢が大切です。
③ 危険な作業を見直す
- 農機具の操作
- 高所作業
- 一人での長時間作業
事故につながりやすい作業は、家族や周囲で分担・見守りを検討しましょう。
④ 相談先につなぐ
気になる変化が続く場合は、
かかりつけ医や地域包括支援センターなど、早めに相談することが安心につながります。
🌾 医師の見解
認知症は、早期に気づき、適切な支援につなぐことで、その人らしい生活を長く続けることができます。
物忘れが増えたからといって、すぐに農作業をやめなければならないわけではありません。作業内容を調整し、周囲が見守りながら続けることで、安全に農作業を続けられるケースも多くあります。
農作業を通して体を動かし、年齢を問わず周囲の人と関わることは、「自分の居場所」や「役割」を感じることにつながり、生きがいにもなります。こうした日々の積み重ねは、認知症の予防や進行をゆるやかにする一助となり、QOL(生活の質)の維持・向上にもつながっていきます。
■受診・相談を考える目安
次のような変化が見られる場合は、相談を検討しましょう。
- 同じ質問や話を繰り返すことが増えた
- 作業中に判断ミスが目立つ
- 約束や予定を忘れることが多い
- 性格が変わったように感じる
- 日常生活へ支障が出ている
🌱 予防・備えのポイント
日頃から、次の点を意識しましょう。
- 家族や仲間と日常的に会話する
- 作業内容や役割を無理のない形に調整する
- 定期的に健康診断を受ける
- 困ったときに相談できる窓口を知っておく
- 十分な睡眠時間を確保する
- 社会活動に参加する
- メモを活用する(脳の活性化・トレーニング)
🌾 家族・周囲の方へ
農業は、長年の経験や勘が活きる仕事です。
だからこそ、変化があっても、すぐに「できなくなった」と決めつける必要はありません。
「いつもと少し違う」。その小さな気づきと早めの対応が、本人と家族の安心、安全な農作業につながります。

「いつもと違う」に気づくことから
農業者の高齢化と認知症
・農業者の高齢化と日常の変化
長年、農業を続けてきた高齢の農業者でも、年齢とともに、作業の手順に迷ったり、「いつもと違う」様子が見られることがあります。
・周囲の気づきと見守りが大切
こうした変化は、本人よりも、家族や仲間、周囲の人が先に気づくことも少なくありません。
責めたり、無理にやめさせたりせず、そっと見守る姿勢が大切です。
・気になる変化があれば、早めに相談を
小さな違和感でも、早めに相談することで、安心につながることがあります。
「年のせい」と決めつけず、相談につなぐことが、安全な農作業と日常生活を守る第一歩です。
■今回の記事を監修した医師

緒方 裕 医師(外科)
日本外科学会 外科専門医・指導医
日本消化器外科学会 消化器外科専門医・指導医
日本大腸肛門病学会 大腸肛門病専門医・指導医
日本消化器病学会 消化器病専門医・指導医
「Medi-AGRI」とは
当院をご利用いただいている患者様の職業の多くに「農家」の方がいらっしゃいます。
そんな地域の農家の皆さんの健康管理の一助となればと考え、一般的な医療情報を紹介する「農家の皆さんのための医療参考」ページを公開します。事前にご覧になられる中で、日常の作業における健康管理や、体調変化に気づくための参考情報としてお役立てください。
関連情報(神代病院)
・日常の認知症予防・支援活動は、デイケアページに掲載しています。
🔗 https://kumashiro-hp.or.jp/about04/bumon-daycare/
・介護や生活支援サービスについては、介護保険サービスをご覧ください。
🔗 https://kumashiro-hp.or.jp/kaigo-hoken/